確率 2
連続確率。分布など。測度は扱わない。
2008-06-20
INDEX
- 連続確率変数 P(a≦X≦b)
- 独立 P(a≦X≦b, c≦Y≦d) = P(a≦X≦b)P(c≦Y≦d)
- (確率)密度関数 fX(x)
- 期待値 E(X) := ∫-∞∞ xfX(x)dx
- 分散 V(X) := ∫-∞∞ {x-E(X)}2fX(x)dx
- (累積)分布関数 FX(x) := P(X≦x)
- 一様分布 X~U(a,b), fX(x) = 1/(b-a) [a<x<b], 0 [その他]
- 指数分布 X~Exp(λ), fX(x) = 1/λe-x/λ [x>0], 0 [その他]
- 無記憶性 P(X>s+t | X>s) = P(X>t)
- 標準正規分布 X~N(0,1), fX(x) = 1/√(2π) exp(-x2/2)
- 正規分布 X~N(μ,δ2), fX(x) = 1/√(2πδ2) exp{-(x-μ)2/(2δ2)}
- ガンマ関数 Γ(s) = ∫0∞ xs-1e-xdx
- ベータ関数 Β(s,t) = ∫01 xs-1(1-x)t-1dx
- ガンマ分布 fX(x) = xp-1e-x/a/(Γ(p)ap) [x>0], 0 [その他]
- ベータ分布 fX(x) = xa-1(1-x)b-1/Β(a,b) [0<x<1], 0 [その他]
基礎用語の定義
P(a≦X≦b) = ∫ab f(x)dx が任意の実数 a,b(a≦b) に対して成立するような関数fが存在するとき、Xを連続確率変数といい、f(x)をXの(確率)密度関数と呼ぶ。このf(x)をfX(x)のように書くことも多い。
[より詳しくは測度論、ラドン-ニコディムの定理などを調べて。]
- fX(x) ≧ 0
- ∫-∞∞ fX(x)dx = 1 [全確率は1]
- P(X=a) = ∫aa fX(x)dx = 0 [1点確率は0]
任意のa,b,c,dに対し P(a≦X≦b, c≦Y≦d) = P(a≦X≦b)P(c≦Y≦d) となるとき、XとYは独立であるという。
期待値 E(X) := ∫-∞∞ xfX(x)dx
分散 V(X) := ∫-∞∞ {x-E(X)}2fX(x)dx
一般に、実数値確率変数Xについて FX(x) := P(X≦x) をXの(累積)分布関数という。次の性質を持つ。
- FX(x)は単調増加(非減少)
- limx→∞ FX(x) = 1, limx→-∞ FX(x) = 0
- Xが連続確率変数のとき FX(x) = ∫-∞x fX(u)du
確率分布
確率変数Xの密度関数が fX(x) = 1/(b-a) [a<x<b], 0 [その他] のとき、Xの分布は区間(a,b)上の一様分布であるといい、X~U(a,b)と書く。
- E(X) = ∫-∞∞ x/(b-a)dx = 1/(b-a)[x2/2]ab = (a+b)/2
- E(X2) = ∫-∞∞ x2/(b-a)dx = 1/(b-a)[x3/3]ab = (a2+ab+b2)/3
- V(X) = E(X2)-E(X)2 = (a2+ab+b2)/3 - {(a+b)/2}2 = (b-a)2/12
fX(x) = 1/λe-x/λ [x>0], 0 [その他] のとき、Xの分布は期待値λの指数分布であるといい、X~Exp(λ)と書く。
- E(X) = ∫-∞∞ x/λe-x/λdx = λ∫0∞ ue-udu [x/λ=u] = λΓ(2) = λ
- E(X2) = ∫-∞∞ x2/λe-x/λdx = λ2∫0∞ u2e-udu [x/λ=u] = λ2Γ(3) = 2λ2
- V(X) = E(X2)-E(X)2 = λ2
- P(X>s+t | X>s) = P(X>t) [無記憶性]
fX(x) = 1/√(2π) exp(-x2/2) のときXの分布は標準正規分布であるといい、X~N(0,1)と表す。より一般にμとδ>0を定数として
fX(x) = 1/√(2πδ2) exp{-(x-μ)2/(2δ2)} のときXの分布は期待値μ、分散δ2の正規分布といい、X~N(μ,δ2)と表す。このとき、
- δX+μ ~ N(μ,δ2)
- (X-μ)/δ ~ N(0,1) [(X-μ)/δをXの標準化という]
- 再生性を持つ
s,t>0に対して
ガンマ関数 Γ(s) := ∫0∞ xs-1e-xdx
ベータ関数 Β(s,t) := ∫01 xs-1(1-x)t-1dx
- Γ(1) = 1, Γ(1/2) = √π, Γ(s+1) = sΓ(s) 特に Γ(n) = (n-1)! (n∈N)
- Β(s,t) = Β(t,s) = Γ(s)Γ(t)/Γ(s+t) = 2∫0π/2 sin2s-1θcos2t-1θdθ
fX(x) = xp-1e-x/a/(Γ(p)ap) [x>0], 0 [その他] のときXの分布はパラメータp,a(>0)のガンマ分布であるといい、X~Γ(p,a)と表す。
fX(x) = xa-1(1-x)b-1/Β(a,b) [0<x<1], 0 [その他] のときXの分布はパラメータa,b(>0)のベータ分布であるといい、X~β(a,b)と表す。